結果として逃げられなかった件─異世界で防御力最強~
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【R18】異世界で防御力最強ってやつ
転生トラックに轢かれて女神様に異世界転移させられるというお決まりの話。
俺はそのお決まりの異世界転移とやらにハマってしまったわけだけれども......異世界で、俺はホストをして、ホストと言えば酒がつきものであり、まあいいかんじに酔っぱらうわけですよ。んでもってお客様の腕の中で朝チュンなんがしちゃってさ。やっべぇの。お客様のちゅうが気持ちよくってさ、俺も覚悟決めたわけよ。処女喪失の!そして知る。女神様にして「防御力最強」と言わしめた俺のSiriについて!
──Siri穴ないんでやんの。
えっちしようとすると、Siri穴ないのよ!ないってどゆことー??????責任者出して!!この場合は女神様なのかー????まあ、結局それは重症で意識のないときに見た夢オチ?だった......と、思わせて異世界からスパダリ三人が追いかけて来たという、これまたよくわからない事態に陥った。俺、三人のスパダリから逃げられるんじゃろかと悩んだけれども......。
──逃げられなかったよね。
──いやはや、お三方の猛攻ってば凄かったよ。
都心を、都心の真ん中の一段高いところから見回す生活ってさ、やばくね?みいんな見下ろしちまってるんだぜ?よかったよ、俺。高所恐怖症じゃなくってさ。今、俺たち4人はタワマンの最上階で暮らしている。あ、俺のもといたアパートの近くにクレスさんが住むタワマンがあったけれども、それじゃない。俺以外の3人が金を出し合い、俺の名義でタワマンを一棟保有している。
佐藤陽平25歳、何故か都心のタワマン一棟のオーナーになっております。
でも俺、ちゃんと仕事は続けてるぜ? 驕れる者は久しからずっていうだろ?いつ何時この状況が崩れるかわからないからな!
まあ、なんつーか、この圧倒的な財力と、異世界から追いかけて来たというお三方の本来の姿を見せつけられた両親と弟は、お口あんぐり。自分の息子(兄)がゲイになろうがなんだろうが、どうぞ、どうぞ、お嫁に貰ってやってください。ってなったよね。外堀埋められたよね。......親から見ても俺が嫁なんだね。
ところで俺、家事はからっきしダメだ。
料理はもともと夜の帝王として数々の店を切り盛りしていたラドゥさんが一番得意で、え?ここ?星いくつのレストラン?てなかんじの食事を作ってくれる。俺、そんなに魚好きじゃなかったのよ。でもさ、ラドゥさんの作る真鯛のポワレ、最高だった。下にバジルと松の実をペースト状にしたソースをしいて、ラタトゥイユを盛り、皮がパリッパリの真鯛のポワレ。やばくね?こういう料理がラドゥさんが休みの日に出てくるんだぜ?ラドゥさんがお医者の仕事の日は作り置きしておいてくれる。ハンバーグの種を型に入れて焼いたミートローフなんて絶品だ。この世界の食材をもう完璧に理解しちゃっているとこ、まじ、スゲー。
フェンリルのカイさんはDIYが得意だ。
俺の家族内での唯一の仕事、車の運転手なんだけど、休日に郊外のホームセンターにカイさんと一緒に車で繰り出すんだ。材料をあーでもないこーでもないと吟味して仕入れ、トンテンカンテンこつこつとリフォームしたり、小物を作る。
なんでも、「番との巣は奇麗にしておきたいだろ?」なんて言っている。リフォームしたトイレ、見て欲しいくらいだ。俺、思わずSNSに投稿した。エメラルドグリーンの壁紙に、白い腰壁。床は白いテラコッタに似た素材。もともとトイレタンクと手洗い器は別になっていたけれど、手洗い器の蛇口も取り替えて、全体的にアーリーアメリカンなトイレだ。イイネの数がハンパなかったなあ。
掃除もカイさんは完璧にこなす。セミダブルのベッド4台をジョイントしたバカでかいベッドのベッドメイクなんて神業だ。ベッドメイクしたてのベッドにぼふんとダイブする瞬間って至福だよな。
洗濯はデイトレーダーをしているクレスさんがしてくれる。
お日様に干された服はやはり気持ちがいい。会社に着ていくシャツはアイロンがけをしてくれるんだ。皮膚がそれほど強くない俺のためにノリは付けないのだけれど、やわらかくプレスされたシャツは着心地最高。但し、タオル類は乾燥機を使ってくれている。乾燥機の方がふわっふわな仕上がりになるから。
てなかんじで俺ってば、スパダリ3人に囲まれて幸せに暮らしております!
Siri穴の防御について?
それはまた別の機会に......。